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「ハイパーボリア人」は見ていてとにかく不安になる。
真実の所在を見失うからか、メタが重なりすぎて現在地を見失うからか。
ふと気づく。真実も虚構も全て地続きとなり、
信じがたいスピードで拡張を続ける“私たちが生きる世界”そのものだからかもしれない。

大森時生(テレビ東京 プロデューサー)

実写と、アニメと、人形と、影絵と…
この映像は説明不可能だ。
不要なのかもしれない。

狂気を超えた表現力にただ戦慄し、奇妙な世界へと引きずり込まれるしか為す術はないのだから。

寺嶋夕賀(映画コラムニスト)

地球空洞説、ヒトラーの生存説にクローン説、特定民族の宇宙人起源説……。
様々なオカルト・陰謀論的モチーフが、
ひどい悪夢にうなされているかのようにぐるぐると繋がっていく。
そしてこの悪夢は、陰謀論が政治にまで侵食する現代社会そのものなのだ。

吉田悠軌(怪談・オカルト研究)

自由自在にめくるめくさまざまな技法。
映像作りの鉄則と思われていたことを意にも介さず簡単に踏み越えた奔放な絵作り。
作り手として、自分の常識に疑問を突きつけられた気持ちです。

八代 健志(ディレクター/人形アニメーター)

『ハイパーボリア人』は、現実と虚構の境界を溶融しながら、
陰謀論がはびこる現代社会の宿痾に深く迫る。
それも、おどろくほどユーモラスな仕方で。
レオン&コシーニャは、映画における「ユーモア」の本質を心得た稀代のアーティストといえよう。

田中大裕(アニメーション研究者)

ルールに縛られ常識に囚われている現代に、
カウンターパンチを喰らわすハイパー劇薬ムービーです!

岩井澤健治(アニメーション監督)

レオン&コシーニャによる、物語の"力"と構造への探究が、
驚異と豊かさに満ちた楽しくて恐ろしい作品を生み出した。
彼らの物語はいつのまにかスクリーンを飛び超え、鑑賞者たちを丸呑みにしてしまう! ひらのりょう

ひらのりょう(アニメーション作家・漫画家)

(敬称略・順不同)
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