COMMENT(五十音順/敬称略)

今までに観た事のない映像に
出会えました。

アニメーションを超越して、
画面の中に
確かに存在する世界がありました。
不思議な邪悪さに魅了され、
作品の中に流れる時間が
異次元に繋がっているような
錯覚を覚えました。

伊藤潤二
漫画家

「等身大」人形アニメ?
何ダそれ??

そもそも発想がそこに行かない、
「等身大」など思わない。
チリのヤバな2人組が御法度に踏み込んだ。
結果、時間が別次元に流れ出し、
とてつもなく恐ろしい世界が炙り出た。
不世出なる不届者による極上の仕業に
心底ヤラれた。

大竹伸朗
画家

ここまでの映像芸術とは
中々出会うことはない。
頭から最後までひたすら圧巻の時間。
途方もない、きめの細かさ。
命を生き写した所業は
心から憧れる姿勢そのものだった。

OSRIN
映像作家 / Art Director

ストップ・モーションアニメという
形態の作品の中でも
異彩を放っている。
ワンシーンが流れるように
変異していく表現の数々は
さながら悪夢の世界。
二次元と三次元が交差する不気味な世界を
初体験できるだろう。

岸本誠
都市ボーイズ

映像という静止画面の残像を脳が繋げて
「動いている」と錯覚することと、
人間の言語による洗脳という
一種の錯覚のメカニズムが、
作家のものづくりという遊びで
巡り合ってしまった。

映ってはいない二人の身体の痕跡が
幽霊のように
残像感を起こさせるのが脅威です!

鴻池朋子
アーティスト

子供の頃、
強烈な高熱に魘されながら眠る夜に見た
脳裏にこびりつく悪夢。
幾つになっても断片的だが
鮮明に思い出してしまうような
あの恐ろしい世界を
目まぐるしく浴び続けるような
ワンダーランド。

強烈でおどろおどろしい
ストップモーションの世界に、
身体が緊張し
息をするのを忘れてしまうような
時間が詰まっている。
観終わってからも、
心の中の"不安"の感情の部分を、
生暖かくザラザラしたもので
ずうっと撫でられているようだ…

中田クルミ
俳優

森の中の一軒家で繰り返される、
崩壊と再生。
蠢いては朽ち、また蠢く。
そして、ゆっくりと、私たちの眼に、耳に、
全身に張り付いて離れなくなる!!
どんなテーマパークでも体験できない
驚異のライドショウ
鑑賞後の今も、
彼らが頭の中を這いずり回っている。

ひらのりょう
短編アニメーション作家/漫画家

これは凄い!
刻々と変化するダークで幻想的な世界観は
目から快楽物質を摂取してるかのようです。
創作意欲が刺激される映像体験でした‼︎

古屋兎丸
漫画家

本当は時間が空いたから
プラっと入った映画館で、
何の前知識もなく
本作『オオカミの家』と『骨』を
観ることが出来たなら、それがイチバン。
当然、そのためにも
僕のいらぬコメントも避けたいところだが、
これだけは言わせて頂戴ね。
必ずや、貴方のトラウマ映画になる
ことだけは間違いありませんから!

みうらじゅん
イラストレーターなど

美しくグロテスクに変容し続ける空間を
カメラが常に縦横無尽に動いている!
まるで狂った精神世界を彷徨う、
一人称視点の
ホラーゲームやアトラクションを
楽しんでいる気分にもなりましたが、
それら以上に圧倒的に手触り感があり、
間違いなく
他で味わえない体験ができました。
効果的な演出のために
様々な素材や手法が使われており、
ストップモーションには
無限の可能性が秘められている

ことを感じさせてくれる映画でした。

見里朝希
アニメーション監督 / ストップモーションアニメーター

イカれた夢想は
狂った現実に対抗する手段だとして、
それを無自覚に選んでしまっていたとき、
その悲劇を我々は知らなければいけない。
狂った寓話は
我々が自らを客観視するために
必要だから。

山田遼志
アニメーション作家

悪夢のような映像の合間に
差し込まれる美しい表現。
もしヤン・シュヴァンクマイエルが
いなくなっても、
レオン&コシーニャがいれば安心、
とまで思えるような作品でした。
シュルレアリスムが好きな人に
絶対見て欲しい!

山本さほ
漫画家