Story
グリーンランド東部にある人口80人の村、チニツキラークの小学校に赴任した、デンマークの新人教師アンダース。極寒の地の慣れない生活にくわえ、言葉も習慣も異なる10人の生徒たちとうまく交流できず、教室はさんざんな有り様だ。さらに、“ヨーロッパのよそ者”への視線は厳しく、村人からは孤立気味…。
そんなある日、児童の一人、アサーが連絡もなしに学校を一週間欠席する。心配になったアンダースが、アサーの家を訪問し訳を聞くと、祖父のガーティと犬ぞりで狩りの旅にいっていたというのだ。
「犬ぞりは楽しいでしょうが、彼にとっては学校も大切です。勉強が遅れると、町の中学へ行ったときに苦労しますよ」。アサーを毎日学校に来させるよう祖母のトマシーネに伝えるが、「アサーの夢は猟師になること、人生に必要なことはすべて爺さんが教えるわ」と、アンダースの意見を受け入れない。デンマーク語を教える以外に、アサーのために何ができるのかアンダースは考えはじめる…。