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ヴァジャ・プシャヴェラ

ヴァジャ プシャヴェラ

ジョージアの近代文学を代表する作家・詩人の一人。本名ルカ・ラジカシヴィリ。筆名のヴァジャ・プシャヴェラは「プシャヴィ(ジョージア北東部の山岳地域)の息子」の意味。

プシャヴィ地方の山間の小村、チャルガリ村に村の教会の司祭の子として生まれる。ゴリ(ジョージア中部)の学校を卒業後、ロシア・ペテルブルグ大学の聴講生となるが、金銭的に困窮し1884年に帰国。国語教師として数年間働いた後、チャルガリ村に帰り、以降、畑を耕し家畜を世話するかたわら数多くの叙事詩、詩、短編、戯曲、評論を書いた。作品は同時代の人々からも極めて高い評価を受け、死後、首都トビリシの偉人廟に葬られた。

作品にはジョージアの山岳地方の伝統・民俗が色濃く刻まれている。辺境の村から土着の世界に深く根ざした作品を生み出した作家として、ジョージア文学のなかでも特異な位置を占める。

代表作に叙事詩「客と主人」「アルダ・ケテラウリ」「蛇を食う者」、短編「仔鹿の物語」「カケスの結婚式」「鼠取り」「山はたった一度言った」「枯れたブナの木」など。短編「カケスの結婚式」、詩「私の祈り」など映画化された作品もある。作品はこれまで20以上の外国語に翻訳されている。

映画『祈り』では、叙事詩「アルダ・ケテラウリ」「客と主人」の2篇を物語の骨子とし、その他に叙事詩「蛇を食う者」、詩「我が嘆願」「天よ、私に雹を打ちつけよ」の一節が朗読されている。

祈り─ヴァジャ・プシャヴェラ作品集

「祈り」3部作