舞台は地球ではないどこかの惑星。真っ青な肌に赤い目をした巨人ドラーグ族と、彼らに虫けらのように虐げられる人類オム族の、種の存続をかけた決死の闘いを描く――。 フレンチSFのパイオニアであるステファン・ウルの原作「Oms en Série」をもとに、ブラックユーモア溢れる幻想的な画風のアーティスト ローラン・トポールが4年の歳月をかけて原画デッサンを描き、<切り絵アニメーション>という手法で鬼才ルネ・ラルーが1973年に映画化。そのあまりに独創的でファンタジックな世界観で瞬く間に批評家・観客たちを魅了し、アニメーション作品として史上初めて第26回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。 日本でも1985年の劇場初公開以来カルト的な人気を誇り、2020年12月に東京・渋谷で行われた1週間限定上映でも満席回が続出。作品誕生からまもなく半世紀を迎える今なお、新たなファンを獲得し続けている。 今回待望の初DCP化により、トポール×ラルーが作り上げた世界観のクオリティの高さがより一層体感可能に。アニメーション映画のマスターピースに再び命が吹き込まれる!
その存在は当然、存じておりましたが、こんなに面白い作品だったとは!
今では実写とも引けを取らない数々のアニメ作品。
いや、むしろアニメの方がよりリアルにその世界観が伝わるのかも知れません。
しかし、この‘73年制作の『ファンタスティック・プラネット』は、敢えて初期アニメの作り方を踏襲し、リアルよりも空想の凄さに重きが置かれています。
出てくるシュールなマシーンやクリーチャー。それにストーリー自体がブッ飛んでいますが、現代に於いては決して空想で片付けられない予言的メッセージも感じます。
百聞は一見に如かず。あなたも『ファンタスティック・プラネット』を、この機会に是非、一度体験されてみては如何でしょう。
みうらじゅん(イラストレーターなど)
ボスやシュルレアリスムにも通じる、並ぶもののない、シュールで独創的な世界。
そこで起こる対立・闘争・変化の渦へ我々は投げ込まれる。
人間も家族も社会も出てくるが、物質、特徴、習慣、精神世界もこことは大きく違う。
簡単な答えはない。
生き延びるには、ひたすら起こる出来事からそれを探り続けてゆくしかない。
それは我々にも必要な力、想像力だ。
湯浅政明(アニメ監督)
都市 | 劇場名 | TEL | 公開日 |
---|